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データの小窓

70代後半。4人に1人は「数百m歩くのが辛い!」

「高齢期になればどんな日常行動が困難になるのか」についての
興味深いデータがある。「高齢者の日常生活に関する意識調査」
(内閣府)では、ごく日常的な行動を取り上げて、年齢層や性別他、
多様な属性ごとに仔細に観測している。
今回のコラムでは、その一部をご紹介しよう。

対象としている日常行動とは、
1. 掃除や散歩など適度な活動
2. 少し重い物を持ち上げる、運ぶ
3. 階段を1階上までのぼる
4. 体を前に曲げる、ひざまずく
5. 数百メートルほど歩く
6. 自分でお風呂に入る、着替える 以上、6つの運動である。

スライド1

図1.は全体の結果。「とても難しいと感じる」「少し難しいと感じる」
2つの回答の合算で最も多かったのが「少し重い物を持ち上げる、運ぶ」
で、31.8%。続いて「体を前に曲げる、ひざまずく」の27.4%。
どちらもひざ・腰に関わる動作だけにうなずける結果だと思う。

スライド2

性別にみればどうだろうか?(図2.)「行動が難しい」と感じて
いる人は6項目すべてで女性が男性を上回っている。
大きな性差があるのが、「少し重い物を持ち上げる、運ぶ」。
男性に比べて、18.6ポイントも上回っている。
筋力や筋量の違いも影響しているだろう。
階段や数百mの歩行など、それぞれ11.1、10.0と女性の方が
スコアが高い。

スライド3

どの年代から活動がこんなんになるのだろうか? 
3つの活動に絞って加齢による変化を見たのが図3.である。
加齢によって困難と感じる割合は当然増えてゆく。
3つの活動すべてに
おいて同じような上昇曲線を描いているが、
よく見ると70代前半から、後半にかけての伸びが著しい。
どうやらこのあたりに「症状」が現れてくるようだ。

スライド4

この結果をさらに見える化してみたのが、図4.。
60代前半を100とカウントした指数で、プロットしてみた。
どの活動も60代では、ゆるやかな上昇だが、
70代とくに後半で、伸びが急になっている。

もっとも伸びが急なのが「数百メートル歩くこと」。
70代後半で60代前半の3.6倍、80代前半では同じく
大方5倍の【歩行困難者】が誕生していることになる。
(人口母数が異なるので、実数でそのまま増えているわけではない)

スライド5

偶然の一致かもしれないが、「介護が必要になる不安」が
募るのも70代後半だ。
図5.は「介護が必要になる不安」の有無を問うたものだが、
70代前半まで、「あまりない」「まったくない」が優勢で、
過半数を占めているのに対し、
75歳以上の年齢層では、「よくある」「ときどきある」が、
優位な意識となっている。
対象や母数の異なる2つの調査データから
即断することはためらわれるが、
やはり何らかの動作の不調が心理面に
影響を及ぼしていると考えられないだろうか?
スライド6
因みに要支援や要介護になった原因の25%は「運動器の障害」。
これは原因の1位となる数字である。(図6.)

シニアマーケティング研究室 中田典男

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