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ADL達成度合いから見た【高齢者】とは?(中)

(上から続く)
 では、ADL達成度合いは時系列的にどのように変化してきているのだろうか? 高位の達成度合いを10年前、5年前、現在と3時点で比較したのが、本アーティクルのグラフである。

 まずは、「歩行の持久力」(図8.)。
 一目見てわかるのは、必ずしも、右上がりの伸びが継続できているわけではないことだ。平成17年から22年の5年間は6つの階級すべてが右上がりになっているが、22年から27年にかけては、むしろほとんどの階級で横ばい乃至は漸減になっている。順調に「若返り」しているとは言えない状況だ。
 
 階級別に見れば、男女とも75~79歳の層で、ADLの高位達成度合いが向上している。男性では平成17年度に70~74歳だった層の達成度合いをやや凌駕。同じ年齢層の女性も微増と健闘している。この項目に関する限り、10年間で5歳程度は若返っていると言って良い。

 17年度の65~69歳は、22年度の70~74歳、27年度の75~79歳ときっちりスライドしているので、同一年齢集団の経年数値を追うことで、加齢による達成度合いの変化も見えてくる。
 たとえば、17年度の65~69歳男性の「休まないで1時間以上歩ける」達成度合いは62.9%だが、5年後70~74歳に達すれば、60.2%にダウンする。しかしその低下幅は低く、わずかに2.7%に過ぎない。さらに5年後、75~79歳になれば54.6%に低下している。22年比5.6%の低下幅である。

 女性はどうだろうか? 17年度の65~69歳女性の「休まないで1時間以上歩ける」達成度合いは47.4%だが、5年後70~74歳に達した時点では、48.2%と、むしろ向上している。しかし、さらに5年後、75~79歳になれば、その数字は37.8%にまで急激に低下する。22年比10.4%の大幅な減り幅だ。男性より女性の方が、70代後半に急激な衰えが来るようだ。

 図9.の「階段の昇降」では、「歩行の持久力」とはやや異なる傾向が認められた。階級ごとにばらつきがあることが一つ。今ひとつは女性の数値は5歳上の男性の数値とほぼ等しいこと。65~69歳女性の高位達成度合いが59.3%。これは70~74歳男性の58.4%にほぼ拮抗する数字。このデータを見る限り、女性は男性より5年早く、階段の昇降が覚束なくなる時期が訪れるということだ。

 同一年齢集団の遷移を追ってゆこう。17年度の65~69歳男性の「階段をサッサと楽に手すりや壁につかまらずに昇れる」達成度合いは70.4%と高率だが、5年後70~74歳に達すれば58.4%と急激に低下する。その減り幅は12.0%と大きい。さらに5年後、75~79歳になれば、その数字は48.3%にまで低下する。この5年間の減り幅も10.1%と大きい。
 一方女性では、17年度から22年度の5年間の減り幅は、5.6%と比較的小幅ながらも、22年度から27年度の間では、12.9%減と急降下している。
 階段の昇降に関しては、多少の例外はあるものの年齢に応じてコンスタントに、ADL達成度合いが低くなっていると言えよう。

 「正座の姿勢からどのようにして立ち上がれるか」(図10.)では、10年前、5年前、現在と比べてどの階級も緩やかな上昇、または緩やかな低下傾向を示している。そこには顕著な「若返り」傾向は認められない。それどころか、65~69歳男性、70歳~74歳男性では、「老化」傾向も認められる。
 
 年次スライドで見ても、17~22年度の達成度合いの減り幅はいずれの階級も小さく、逆に22~27年度は軒並み10%前後と急激に低下している。
(下に続く)
 
     日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男 

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