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充実かつ前向き。シニアの社会的(貢献)活動事情(中)

(「上」から続く)
 「自治会、町内会などの自治組織の活動」にせよ、「趣味やスポーツを通じたボランティア・社会奉仕などの活動」にせよ、男女とも65~74歳の前期高齢者層が牽引し、75歳以上の後期高齢者層もそれに劣らず、旺盛に活動されていることが明らかになった。では、その開始時期はいつ頃からなのだろうか?

 図5.は社会的(貢献)活動を始めた時期を年齢階層別にみたものだ。
 興味深いことに還暦を待たずして活動を始めた方と還暦以降に活動を開始した方が、きれいに50:50で分かれている。60代に入っておっとり刀で活動を始めることが「遅きに失する」とは決して言えない。それ以上に、70歳代を迎えて活動を開始する人が、8.6%に上ることには驚かされる。
 「四十の手習い」などなんのその。超高齢社会に合っては「古希の手習い」のほうが余程しっくりくるのだ。

 但し、全体の80%近くの活動開始時期は70歳未満。この年齢幅の方が100%有職というわけではないが、「職を退いてから」と言う方は少数派だ。仕事を持ちながら時間を有効に使う、あるいは定年後のソフトランディングに備えるという考え方の中高年によって社会的(貢献)活動は支えられていると言ってよい。

 図6.は「社会的(貢献)活動(を行う上)で役立っている能力や知識」を問うたもの。
 上位に挙がったのは、「コミュニケーション能力」そして、「地域住民や地域生活に関する情報、知識」この2項目が40%を超え、それに次ぎ、「趣味等で習得した資格や技術・知識」、「職業経験で習得した資格や技術、知識」が第2集団を形成している。いずれもある程度の年齢や経験を重ねないと会得できないリソースだ。やはり「年の功」はモノを言う。
 このようなリソースを活かした結果、得られたものは何なのだろうか?「社会的(貢献)活動をしていてよかったこと」の設問結果を見てみよう。(図7.)

 トップは「新しい友人ができた」こと、第2位に「地域とのつながりができた」こと。この2つの選択肢は過半数の方の賛意を得た。次いで「社会に貢献しているという充実感」、「健康や身だしなみの維持」が30%超えで続いている。
 「家族の生活を支える」あるいは「経済的なゆとり」と金銭的なインセンティブに魅力を感じる人は、非常に低率であることも、特筆すべきことの一つである。

 この上位4項目について、属性別に際立った特徴があるかどうかを探ってみた。以下の図8.~図11.がその結果である。

 「地域に安心して生活するためのつながりができた」(図8.)で顕著なのは「男性:60~64歳」の層で、59.0%が賛意を示している。全体平均を8.4%上回っている。会社人・組織人・仕事人から地域人への回帰途上にある集団でもあり、「地域デビュー」を実現させた喜びも何となく感じ取れる。

 「新しい友人を得ることができた」(図9.)で特筆すべきなのが、「女性:75歳以上」の層。66.2%が「そうだ」と答え、その比率は全体平均を10%近く上回る。
 高齢者世帯に占める単身世帯の割合は増加の一途を辿っており、ことに女性でその伸びが大きい。一人暮らしの全高齢者に占める割合は、男性が12.9%。対して女性は21.3%に上る。(※)引きこもりや孤立化の予防のためにも、社会的(貢献)活動ほ有効であるし、新たな「きずな」が生まれることは喜ばしい。
(※「日本の世帯数の将来統計」2013年1月推計)

 「社会に貢献していることで充実感が得られている」では、「男性:65~74歳」の回答が最も多く、46.1%で全体平均を7.9%上回った。仕事から離れた喪失感を社会的(貢献)活動がフォローしていると推察することも可能だろう。

 「健康維持や身だしなみにより留意するようになった」は「新しい友人を得ることができた」と同様、「女性:75歳以上」に大きな共感を得た。45.5%と全体平均を12.7%も上回る数字を得た。「外出する、人と会う」といった良い意味での緊張感を好循環につながっていると見てよいと思う。

 このように、一見いいことずくめの社会的(貢献)活動だが、「上」で触れたように、高齢者の実施率は全体の三割に過ぎないことを、今一度確認しておきたい。「下」では、「活動しない理由」に焦点を当ててみる。(「下」に続く)

   日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男

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