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ポスト・マイカーが鍵。シニアの買い物行動と生活圏(中)

(上から続く)
 前回のアーティクルのおさらいから始めてみよう。
 大都市、賃貸、75歳以上の女性という3つの括り以外は、「買い物に行くときの主な手段は自動車等」が過半数を占めていた。では、本当に自動車等を使わなければ、買い物に行けないのだろうか? 徒歩圏に店舗が存在しないのだろうか?
 図6.は、前回同様12のカテゴリーで、徒歩圏にコンビニがあるかどうかを問うたものだ。

 全貌して驚かされるのが、インフラとしてのコンビニの底力だ。50%を割り込んだのは、町村のみ。後は軒並み60%を超えている。大都市、賃貸のカテゴリーでは、10人のうち8人以上が「徒歩圏(500m圏内)にコンビニがある」のだ。
 年齢別、性別に見ても概ね70%内外とコンビニの販売網は充実している。

 他の小売業態と比べてもその存在感は群を抜いている。大半のカテゴリーで「徒歩圏内にスーパーや商店がある率」を上回っている。唯一、町村部のみが、コンビニ:49.1%、スーパーや商店:50.1%とコンビニがすずかに下回っているにすぎない。
 町村部では、古くならの商店が健在なことと、コンビニの出店戦略に適わなかったこと、両方の理由が考えられるだろう。

 同じく都市規模別で見れば、小都市がコンビニの恩恵を最もよく受けていると言える。徒歩圏におけるコンビニ存在率は63.9%。スーパーや商店の存在率は51.6%で、コンビニの存在率が12.3%も上回っている。
 ここで言う「小都市」とは、人口10万人未満の「市」。全国791市(2017年10月現在)のうち「小都市」は530市に上る。まさに全国津々浦々の身近なインフラとして機能していると言える。

 都市部ではかなり高率で徒歩圏に存在するコンビニ(あるいはスーパーや商店)にも関わらず、移動は「買い物に行くときの主な手段は自動車等」が主流派。冒頭の疑問、「徒歩圏に店舗ばないから」は理由にならないことがわかった。推測の域を出ないが、やはり「慣れ」や「億劫」など心理的要素が多分に働いているのだろう。

 図5.を再掲してみよう。
 男性も女性も年齢層が高くなるほど、自動車等の利用率は低下する。想像通り男性の方が利用率が高く、75歳以上になっても約65%が買い物に自動車等を利用している。
 一方女性は60~64歳という比較的若年(?)層でも、約66%、75歳以上になると約18%と極度に減少する。
 同じ75歳以上でも男性は自動車に頼り、女性は自分の足に頼っているとも言えよう。

 コンビニの充実度は、「徒歩圏医療機関存在率」(図7.)、「徒歩圏金融機関存在率」(図8.)と比較すればよくわかる。
 医療機関と金融機関は相似の傾向を示している。両者に共通しているのは、町村がかなり危機的な状況に瀕していることだ。町村部では3人のうち2人が徒歩圏に医療機関がない。10人のうちおよそ7人が徒歩圏に金融機関がない。

 コンビニにおいても都市規模が小さければ小さいほど、徒歩圏存在率は低くなる傾向にあるが、比較的順当な低下幅だ。しかし医療機関と金融機関は「市」部から極端にストンと低下している。品のない言葉で恐縮だが「見捨てられ方」が半端ではないのだ。(下に続く)

    日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男
 

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