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「新・土着」が多数派。シニアの居住地移動考(中)

(上から続く)
 住宅やそれを取り巻く環境といった一時的な理由以外の大きな引越し契機と言えば、仕事か家族。まずは、職業上の理由から居住地を移動した人の割合を年齢階級別に、眺めてゆこう。(図4.)ここで言う職業上の理由とは、就職・転職・転勤・家業継承・定年退職などを指す。

 大方の想像通りの結果だとは思う。15~29歳は概ね就職を契機とした移動だと推察できる、突出した値になっている。
30~39歳にかけて一旦比率は低下し、その後は年齢階級が上がるにつれて高まり、65歳以上になればストンと落ちる。

 ピークは50~64歳の中高年世代で、20.8%。現在の日本ではこの時期に定年退職という慣行が主流でもあり、早期退職も増えてきた。もう一度職業選択を見直し、居住地も新たにする画期でもある。

 見逃せないのは、65歳以上の6.5%という数字。過去5年間の移動経験率を仮に15%とすると、65歳以上で職業を理由に移動したパーセンテージは、0.009。100人に1人に近しい数字だ。
 この数字をどう受け取るかはさまざまだろうが、筆者は、今の状況を的確に反映していると思う。65歳以上という上限のない大きな集団の平均としては、少なからずあるというのが率直な印象だ。

 年齢階級を小刻みに見れば、もう少し詳しい様相が見えてくる。(図5.)

 5歳刻みの年齢階級別に見れば、65~74歳のいわゆる前期高齢者層で約8割を占めている。ことに65~69歳の層では9.5%と、全高齢者層の1.5倍に上る。100人当り1.5人という勘定だ。

 数字を見る限り、まだまだほんの低率に過ぎないかもしれないが、ワーキング・シニアの増加により、今後は注目すべきターゲットになってくるかもしれない。

 二次的な居住地移動のもう一つの大きな契機である「同居・近居」を見てゆこう。(図6.)
 グラフから、年齢階級と正の相関関係にあることが明らかだ。同居・近居を移動理由とする人の割合は、年齢階級が上がるほど大きくなり、65歳以上で16.8%と最大になっている。

 先程と同様、高齢者を5歳刻みで見て行くとどうなるだろう?(図7.) 「親や子との同居・近居」には、老親を引き取るケースと子世帯に身を寄せるという、2つのパターンがあるが、このグラフでは、「子との同居・近居」に絞って、問題点がより明らかになるように試みた。

 「子との同居・近居理由の居住地移動」は、2つのグル―プに完全に分かれた。すなわち、65~79歳までのグループと、80歳以上のグループだ。
 前者は概ね、10%内外と比較的低率の数字になっている。(70~74歳の年齢階級で、やや飛びぬけているのは誤差範囲と考えてよいだろう。)ところが、80~84歳の年齢階級では、一気に30%台にまで跳ねあがってくるのである。この水準は維持されたまま、85歳以上の31.8%と漸増する。

 過去5年間における居住地移動なので、最も早い人で75歳時点で子との同居・近居に踏み切った人もいると推察される。子との同居・近居の動きは、75歳ですでにその萌芽が兆していると考えてよいだろう。後期高齢者かどうか、ここで大きな画期を迎える。(下に続く)

    日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男
  

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