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「シニアが牽引するボランティア」のウソ、ホント(上)

 シニアのボランティア事情については、データの小窓のいくつかのアーティクルで、考察を試みてきた。「『人の役に立っている』といった、自分に対する前向きなイメージを持つ人は老化のスピードが遅い」。いわゆるセルフエフィカシーの概念こそが、超高齢化社会のキーワードの一つであり、それを具現化したのが、ボランティアという行為だからである。

 活動している人、阻害要因(時間や体力等)により活動できていない人、活動する意思のない人が、それぞれ、3割・5割・2割の比率で分布していることもわかった。(60歳以上を対象とした、「2016年(平成28年) 内閣府 高齢者の経済・生活環境に関する調査」による)

 本アーティクルでは、シニア世代だけではなく、年齢階級別、活動種別に時系列でその推移を追ってみた。その中でシニア世代のボランティア活動におけるプレゼンスを細かく確認してみることにする。データは「2016年 社会生活基本調査(総務省)」に拠った。

 まずは概要を大づかみすることから始めよう。図1.は、ボランティア活動の行動者率の推移を、過去4回の調査に遡って、年齢階級別にプロットしたグラフ。特徴的なことが3つある。
①2001~2016年の15年間で、ボランティア活動の行動者率はすべての年齢階級で低下していること
②その低下幅は、35~44歳の中年層で顕著なこと
③60歳以上の年齢階級では、低下幅はわずかであることだ。
 比較的若い世代のボランティア活動からフェイドアウトし、その分60歳以上のプレゼンスを押し上げたとも見える。

 男女別に見た場合、さらに面白い傾向が現われてくる。まずは男性。(図2.)

 全体傾向とほぼ等しい波形にはなっているが、ここでも40歳代前半の退潮がことに著しい。2001年と2016年を比べてみると、40歳代前半では8.6ポイントも低下している。一方、60歳代前半の低下幅は1.8ポイント、60歳代後半は1.6ポイントとわずかな落ち込みに留まっている。
 この結果、2001年時点では、中年とシニアのツインピークがボランティア活動を牽引していたのに引き比べ、2016年時点ではシニア層が牽引役となり、全年代を引っ張っているように見える。事実、2016年時点では、60歳代後半の活動者率が全年代を通じて最も高い。

 男性と異なり、40歳代前半に行動者率のピークを迎えるのが女性。(図3.) 経年変化を見ても、この傾向は変わらない。こと65歳代以上に限れば、男性の行動者率を下回っている。それでも60歳代後半は男女僅差だが、70歳以上になると男性の数字に大きく水を開けられる。70歳以上の男性の行動者率が27.4%と、4人に1人を上回っているのに対し、女性では20.2%(いずれも2016年時点)と概ね5人に1人という数字。体力的な問題が大きいのかもしれない。
 女性のボランティアは35~44歳の比較的若年層が、大きなプレゼンスを示している。但し、漸減傾向は男性より甚だしい。とくに35~39歳の年齢階級で、2016年の数字は2001年比で、男性が6.6%減、一方の女性は9.8%減と、約10%もスコアを落としている。(中に続く)

   ㈱日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男

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