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室長の小部屋

認知症の人口は予備軍も入れると800万人超

「ココセコム」というサービスをご存知だろうか。SECOMが提供するサービスで、GPSを携帯した人の居場所をパソコン、スマホなどから確認でき、要請があれば保護もするというものである。対象を特化したものではないが、ウェブサイトには「高齢者を見守る」というページがあり、ページに入っていくと、タイトルにはっきりと「徘徊・認知症」の文字がある。

厚生労働省の調査によると、65歳以上で認知症とされる人は2012年時点で約462万人に達し、予備軍(軽度認知症)も約400万人と推計される。65歳以上の実に4人に1人にあたる。
認知症の呼称が使われるようになったのは2004年からで、それまで「痴呆」と呼ばれていたものを厚生労働省によって言い換えを求められた。
内閣府が委託した調査によると、「高齢者の健康について国や地方自治体に力を入れてほしいこと」のトップは「認知症について」であった。社会的関心は高まっている。
因みに加齢によって誰しも覚えのある、「もの忘れ」は認知症とは言わない。

「徘徊」で年間1万人の行方不明者

認知症が原因の行方不明者は平成24年だけで1万人近くに達し(9607人=警察庁。NHK)そのうち359人が死亡(同)していた。わずか1年間にである。
徘徊後、運よく保護されても認知症が進んでいれば、自分の身元を説明できない。
この結果、家を出て数年たってから発見されるケースもあると言う。
県境を超えてしまうと、警察の管轄も変わるので、ますます発見が難しくなるらしい。

自宅介護での「見守り」には限界が

内閣府の委託した調査によると、自分が要介護になった時点で、どこで介護を受けたいか、また配偶者が要介護になったときにどこで介護を受けさせたいかという問いに「自宅で介護」と答える人が最も多い。

誰が介護しているか。全体の4分の1が配偶者。その内、女性の割合は69.4%。子の配偶者も含めると介護者が女性の割合はもっと増える

誰が介護しているか。全体の4分の1が配偶者。その内、女性の割合は69.4%。子の配偶者も含めると介護者が女性の割合はもっと増える

しかし、その際、介護を担うのは配偶者であるケースが多く、所謂「老々介護」になる可能性が高い。常時の見守りや何等かの装置による阻止などは難しく「ちょっとした隙に」徘徊されてしまうのだろう。列車にはねられた90代男性の見守り責任を80代(事故当時)の配偶者が問われた判決は記憶に新しい。

徘徊は施設が受け入れてくれない?

見守りのある施設ではどうか。
特別養護老人ホームの待機者(入所申込者)は全国で52万人以上(厚生労働省平成26年3月25日発表)。まず入れない。たとえ住宅型老人ホームなどに空きがあったとしても、暴力的であるという理由と並んで、徘徊を入所拒否の理由に挙げている施設がある。実際、筆者の親族が入居する住宅型老人ホームには徘徊する人は居そうにないが、それでもヘルパーなど職員が操作しないとエレベーターの扉も屋外への扉も開かないようになっている。

健康寿命は延びるというが。

実は冒頭で紹介したココセコムの「高齢者を見守る」のウェブページのヘッダーには、小さくではあるが「シニアや高齢者を見守る」とある。日本では平均寿命の上昇とともに自立して生活できる「健康寿命」も延びているといわれる。「今どきのシニア」として話題になるとき、必ず気力充実した「アクティブシニア」が語られる。しかしながら、仮に65歳以上をシニアと呼ぶとするならば(最初に述べた数字を見るように)認知症はいつなってもおかしくないシニアの「自分事」である。

奥河隆司

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