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室長の小部屋

シニアの気持ちを動かす「何」(コンテンツ)の発想法と具体例

まずは、次の2つの主張を比べていただきたい。どちらも広告賞のコピー(ヘッドライン)に関する言及である。

その1)
人の考えないアングルでコピーや企画を考えることに、まず徹してほしいと思います。毎年審査していると、似たような表現や同じような考えから生まれたコピーが本当に多い。その中で残っていくのは、新鮮さやユニークな視点を持った作品に他なりません。
その2)
審査員は洗練された文章を必要以上に重要視する。実際のところ、洗練された文章が売り上げにつながることはほとんどない。重要なのは何を言うかであり、どう言うかではないのだ。意味のある内容を単刀直入に伝えるほうが、大して意味のない内容の美辞麗句を連ねるより、相手の気持ちを動かすのだ。

その1)は、「コピーライター・広告界の登竜門」を自称する宣伝会議賞の一審査員からのアドバイス。その2)は、ジョン・ケープルス『ザ・コピーライティング』の中の「非科学的な広告が受賞している理由」の理由4。私たちは、もちろん、その2)ケープルスの主張を支持する。その理由は、これら2つの主張をシニアマーケティングにあてはめて言い換えてみればわかる。

その1)換
シニアが考えつくようなアングルでコピーを考えてはいけません。シニアに理解できるような広告は世の中にあふれています。その中で残っていくのは、シニアには到底思いつけないような新鮮さやユニークな視点を持った作品に他なりません。
その2)換
実際のところ、シニアに理解できないようなコピーが売上につながることはほとんどありません。重要なのは何を言うかであり、どう言うかではありません。シニアの知りたいこと、シニアに興味のあることを単刀直入に伝えるほうが、大して意味のない内容の美辞麗句を連ねるより、シニアの気持ちを動かすのです。

ケープルスの主張が強力なのは、彼が史上最も有名なコピーライターだからではない。史上最も売上を稼いだコピーライターであるからだ。広告の良し悪しを広告の成果(売上)で判断するのが、彼のやり方なのだ。

こんな当たり前のことを、なぜわざわざ持ちだしたかというと、介護用品や年齢化粧品、健康食品などだれにでもシニア向けとわかる商品を除いて、シニアの気持ちを動かすことなどとっくに諦めているとしか思えない商品(広告)が世の中にあふれているからだ。シニアだってスマホを使いこなしてみたい。シニアだって人からカッコいいと思われたい。それなのに、シニアに語りかけてくるデジタル機器やトレンド商品の広告がほとんど目につかないのはどうしたことだ。

どんな商品であっても、欲しいと思ったら買うのがシニアである。お金は持っているのである。史上最大のボリュームゾーンと言われるこのターゲットを放っておく手はない。シニアが「欲しい」と思うことは「何か」。その「何か」に気づきさえすれば、成果はケープルス先生の保証付きだ。チャレンジしてみない手はない。数は少ないが、シニアの気持ちを動かす「何か」を持っているウェブサイト(広告)の事例から、その発想法を分析してみよう。

事例1)シニアの心をつかむ旅行予約サイト 「クラブツーリズム」
クラブツーリズムでは元々中高年向けの旅行プランが多いのですが、2010年にサイトリニューアルを実施してから、60歳代以上の層の割合がさらに増加しています。

↑リニューアルされた後では、訪問者の履歴を読み取って、その人に最適の「おすすめツアー」が上位に表示されるようになりました(写真=クラブツーリズムより)。

分析:パーソナルな提案を強化した結果、シニア層の訪問者数が増加したということは、それまでは「自分向きの提案がないなあ」とシニア層に思われていたからに他なりません。クラブツーリズムは元からシニア層への旅行プランも数多く用意しているわけです。これがズバリ、シニアにとっての「何か」です。それを優先順位の一番に持ってくればいいわけです。

事例2)社長がモデルを務めた秋の新製品「スノーピーク」
キャンプ用品のスノーピーク秋の新製品 “Cashmere Double Face Peacoat”のオンライン広告では、社長の山井太さんがモデルを務めています。スノーピークは30代・40代のファミリー層がメインターゲットですが、社長が自らモデルになることによって、このPコートをシニアにも買っていただこうという作戦です。

↑表地はもちろんカシミヤ100%。細部にもこだわり抜いた逸品(写真=スノーピークより)。

分析:Pコートは団塊の世代にとっては、あこがれのファッション・アイテムの一つです。しかし、現在市販されているものは、男女兼用のカジュアルなコートとして若い世代を狙った低価格の商品が中心です。そこへ、この「本物」を謳ったPコート。1万円前後が相場のマーケットに20万円近くもする商品を投入するわけですから、狙いはもちろん、シニア層。欲しいのはわかっているわけです。買うお金も持っています。彼らが購入をためらう唯一の理由は「高い買い物をして、俺に似合わなかったらどうしよう」という不安です。その不安を、社長(53歳)がモデルになった写真が見事に解消しています。これが、シニアの知りたい「何か」です。

事例3)シニアを意識した楽しみ方ストーリー「パナソニック・ビエラ」
パナソニック・ビエラ(薄型大画面テレビ)の商品サイトでは、高画質・先進機能やネットワーク対応などの従来の機能訴求とは別に、「テレビの新しい楽しみ方6つのストーリー」と題して、シニアに向けたコンテンツ(楽しみ方提案)を提供しています。

↑ビエラの快聴機能なら、画面から離れていてもセリフがとても聴き取りやすい(写真=パナソニックより)。

分析:ボリュームは「22」で視聴したいけど、家族の手前「18」で我慢しているシニアは数多くいらっしゃいます。「自分専用のテレビもあるけれど、32型では画面が小さくて面白くないし、やっぱり孫と一緒に大画面で楽しみたい」というのがシニアの本音。こんな機能が付いているなら、最前列に陣取る孫の後ろでも、ボリューム「18」でもちゃんと聞こえるとなれば、心動かされずにはおかないでしょう。テレビの購入理由は、1にサイズ、2に価格ですが、3番目にくる「何か」が、シニアの(そしてご家族全員の)悩みを解決する提案になっているわけです。

(津川義明)

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