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意外!高齢者の事故は、「居室・寝室」がダントツ!      ―シニアマーケティング データの小窓(1)

東京都消防庁のデータによれば、けがなど、生活上で起こる事故により搬送される人は年々増え、それに伴い、全体に占める高齢者(65歳以上)の割合も少しずつ増えている。
その結果も影響してか、全年代での場所別に見れば、住宅等居住施設が61%と圧倒的に多くなっている。これは、2位の道路・交通施設を倍以上上回る数字であり、一般常識とは乖離した結果である。

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住宅内をさらに詳細に見れば、家の中でも圧倒的に、居室・寝室での事故が多い。一般的には、階段や廊下の危険性が取沙汰されているが、確かに階段は2位を占めているが、階段での事故は居室・寝室の12分の1にすぎない。最も身近で安心できる空間に、最も高い危険因子が潜んでいるとは、皮肉なものである。

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国民生活センターの資料によれば、高齢者の家庭内事故のきっかけで最も多いのが「転落」で、30.4%。次いで「転倒」の22.1%。「転落」と聞けば、階段がすぐに思い浮かぶが、居室・寝室での「転落」事例も多く寄せられている。一例を挙げてみよう。

・「トイレに行こうとしてベッドから転落、頭部を打撲して骨折、入院」
・「回転いすに上って探し物をしていたところ、座面が回転し転倒。手首を骨折」
・「ベッドを畳と勘違いして立ち上がり、転落。腕を骨折」

その他にも、「足がもつれて家具にぶつかる」「靴下が引っかかって転落」「じゅうたんに足をとられて転倒」といった、何気ない日常の動作が思いもかけない事故につながった事例が寄せられている。
住宅での事故による危害の程度で言えば、高齢者は中等症以上になる確率が、65歳未満の2倍にもなる。

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何気なく過ごしている空間に潜む危険性を排除し、気づきを喚起する取組みもCSRを含めたシニアマーケティングの観点の一つだと言えよう。

日本SPセンター シニアマーケティング研究室 中田典男